爪トラブル(巻き爪)
爪トラブル(巻き爪)
巻き爪とは?
爪の断面がひらがなの「の」の字のようになり、趾先の肉を巻き込んでいる状態のことです。細菌感染を起こすと強い疼痛が生じ、赤く腫れ上がることもあります。
陥入爪とは?
爪の端の尖った部分(爪棘)が爪のわきの皮膚に刺さり、炎症や化膿を起こし、ときに爪の際に赤い肉の盛り上がり(不良肉芽)を形成している状態のことです。外反母趾や腰痛、歩き方などの影響により、親指が上に反るような状態になると起こりやすい症状です。
巻き爪や陥入爪は、ちょっとしたきっかけで老若男女問わず発症し、強い痛みを伴うことも稀ではありません。巻き爪は軽症例も含めますと非常に有病率の高い疾患であり、全人口の約10%の方が巻き爪に悩んだことがあるとされています。痛みを我慢して誤った自己処置で悪化することもあるので、異常を感じたら早めに受診しましょう。
悪化した巻き爪、細菌感染、不良肉芽は、ただ消毒をしたり、抗生剤を飲んでいても治りません。
根本的に皮膚に当たっている爪を物理的に解除してあげる必要があります。
低侵襲のワイヤー治療、根本から解決する陥入爪手術から手術せずに改善させる方法まで、さまざまな治療法を行っています。
テーピング法は爪と皮膚を引き離すようにテープを巻くことで、爪の痛みを軽減する方法です。巻き爪の強制力はさほどないので、巻き爪が高度な場合は他の治療までの「繋ぎの治療」になります。
爪が皮膚に食い込んでいるところにガーゼを詰め込み接着剤で固定します。そうすることで爪と皮膚がぶつからなくなり痛みが軽減。その間に爪が適当な長さまで伸びるのを待ちます。爪の切り方に問題があり、陥入爪になってしまったという方に特におすすめしています。
伸びた爪の先端に、強く曲げてもまっすぐに回復する「超弾性」ワイヤーを爪に通すことによって、ワイヤー弾性による反発力によって爪を持ち上げ、巻き爪を矯正します。異常に湾曲してくる巻き爪を自然で健康な爪へと導きます。
施術時間 | 5分程度 |
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麻酔 | 不要 痛みはほとんどありません |
痛みがあるため爪を短く切り、切ったら爪が食い込むといった陥入爪の悪循環を断つ優れた治療法です。非常に簡便な治療なので、なかなか治らない陥入爪に対する第一選択肢としておすすめします。特に化膿性肉芽腫と合併しているときには、まず最初に考慮すべき治療法です。食い込んでいる爪と皮膚の間にチューブを挟み、そのチューブを医療用接着剤や糸で固定します。そうすることで爪と皮膚がぶつからなくなり痛みが軽減します。その間に皮膚の腫れが治まり、爪が適度な長さになるのを待ちます。
施術時間 | 10分程度 |
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麻酔 | 少量の局所麻酔が必要 |
術後の経過 | 麻酔が切れても痛みは軽減しています。2~3日で痛みはなくなる方が多い 数週間でチューブが自然に脱落しますが、そのころには炎症や化膿性肉芽腫が落ち着いており、痛みがなくなっていることがほとんどです |
安静度 | 当日のみ激しい運動はお控えください 2~3日後より痛みが改善してきます |
シャワー・入浴 | 翌日から可能 |
処置 | 不要 ガーゼは入りません |
陥入爪を繰り返しており、もともとの爪の幅が指に対して広い場合、ガター法や保存的治療では再発することが多いため、爪の幅を狭くする手術になります。爪の端を部分的に抜爪したのち、爪母という爪を作る組織を腐食させてその部分の爪が生えないように処理する方法です。フェノール法は、何年か後に爪が曲がって生えるなどの報告もありますが、実際、痛みをとるためには行わなければいけないケースもあり、しっかりとご説明したうえで、必要な場合にのみ行います。
施術時間 | 20分程度(ほとんど麻酔が効くのを待つ時間) |
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麻酔 | ブロック麻酔(指全体が痺れる麻酔をしっかり効かせるため、手術中の痛みはありません) |
術後の経過 | 傷が治るまでに1~2週間かかります |
安静度 | 手術後の約1週間は激しい運動を避けてください |
シャワー・入浴 | 翌日よりシャワーを浴びることができます シャワー後軟膏ガーゼで処置が必要になります 入浴は傷が塞がってからとなります |
体が不自由で姿勢が取りづらい、視力や握力の低下がある、分厚すぎる爪、変形が強い爪、などで自分で爪が切りにくい方向けに、医師もしくは、医師の指導の下訓練を受けた看護師が手足の爪切りをいたします。
施術時間 | 5~15分 |
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麻酔 | 不要 痛みには最大限配慮して、痛みが出にくいように丁寧に爪切りを行います |
治療の流れ | 爪切り→爪やすりでのケア→保湿 |
当院では、足病変の創傷ケア、予防・早期発見、再発防止など、様々な足トラブルに対するフットケアを行っております。最近では、糖尿病やその合併症の慢性腎臓病、人工透析をしている人、ご高齢の方、靴などの問題を抱えている人など、足のトラブルに悩む人も多くなりました。糖尿病などで動脈硬化が進み足に血行不良が起こると傷ができても治りにくく、一度治っても再発しやすく、悪化すると足に潰瘍ができたり腐ったり(壊疽)したりして、重症化すると足の切断を余儀なくされることも少なくありません。また、糖尿病の患者様は、病原微生物に対する抵抗力が低下しているため、感染しやすく、傷が化膿しやすいということもあります。
糖尿病にともなう足の病変の早期発見と早期治療はもちろん、陥入爪、巻き爪、ウオノメ、タコなどすべての足のトラブルを総合的に診療いたします。