皮膚の手術(粉瘤など)
皮膚の手術(粉瘤など)
当院では皮膚のできものに対して、局所麻酔を用いた日帰り手術を積極的に行っております。
皮膚から盛り上がったもの、平坦なもの、皮膚の下にしこりとして触れるもの全てを皮膚のできものとして扱っています。
表面に色のついた変化のあるものは、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いて、皮膚腫瘍が良性か悪性かの評価を行い、手術適応の判断を行います。
なお悪性腫瘍を疑う、サイズが大きい、画像検査を要する場合など、当院での対応が難しい場合には、大きな病院に紹介させていただくこともあります。
皮膚科領域の中でも、手術は特に力を入れて行っています。局所麻酔によるお体の負担の少ない日帰り手術をおこなっております。出血や周囲への熱ダメージを抑えてたオペを可能にするラジオ波メス(サージトロン)を採用し、可能な限りキズを小さく、傷の見た目にも最大限配慮したオペを行っております。またハイスペックな機器を用いることで、周囲への熱ダメージを最小限に抑えることで傷の治りを早め、また手術時間の短縮にも繋げています。
皮膚科的な目線で、良性悪性の疑いをもとに手術を行い、診断にこだわります。手術をする前に、腫瘍の疑い診断をつけることはとても大切です。良性が疑われる場合は、できものの特性に応じて傷が最小限になるように取ります。悪いのものが疑われた場合は、安全領域を設けて大きめに切除したり、検査目的にまずは一部だけ切り取る皮膚生検を行ってから、二期的に計画して手術を行います。傷の治りだけでなく、悪いできもの(皮膚がん)を診断することも皮膚科医の使命ですので、切除したものは病理検査に提出し、正確な診断をつけます。整容面(傷あと)に配慮した形成的な手術を行います。きちんと必要なだけ組織を切除して確実に摘出し、形成外科的に丁寧な縫合を行い、術後3-6ヶ月までアフターフォローを行います。
\平日お忙しい方向けに土曜日午後枠も設けています/
平日の午後の完全予約枠以外にも柔軟に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。保険適応で行いますので大きさ・部位によりますが、通常3割負担の場合、通常は10,000円〜20,000円程度(病理検査代含む)です。なお皮弁形成術等が必要な場合は手術料金は変わります。
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医師より手術の説明後、写真撮影、同意書の記載、術前採血、手術日の予約を行います。
*Web予約では承っておりません
2
手術室にて体勢を調整します。
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手術部位にマーキングを行い、患部を消毒します。
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患部の皮膚に局所麻酔の注射を行います。
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できものを切除、摘出します。摘出したできものは病理検査に提出します。
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丁寧に縫合し、ガーゼを当てて手術を終えます。
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術後の注意点を説明します。
所要時間:15-30分。
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術後1−2日:傷チェックを行い問題なければガーゼオフし、患部も含めたシャワーが可能となります。
術後5-10日:抜糸を行い、テーピング指導を行います。検査結果をご説明いたします。
術後1ヶ月、術後3ヶ月、術後6ヶ月:傷チェックの再診を行います。
表皮のう腫・アテロームとも呼ばれ、皮膚の内側に皮膚と同じ構造の袋ができて内部に皮膚の垢(角質)や皮脂が詰まっている皮膚腫瘍です。ドーム状の盛り上がりや皮膚の下のしこりとして触れることがあります。ニキビと間違われたり、脂肪の固まりと呼ばれたり、脂肪腫と間違われることも多いのですが、全く異なる皮膚疾患です。サイズは数ミリから数センチと幅があり、徐々に大きくなります。身体のどこにでもできる可能性がありますが、できやすい部位は顔、首、背中、おしり、耳の後ろなどです。
盛り上がりの中心には開口部があり、黒い小さな点が確認できることがあります。また、この開口部から独特の臭いを発することがあり、臭いが気になり自分で中身を絞り出している人もいます。袋が皮膚の内部で破裂したり、炎症や感染を引き起こすと、痛みや腫れなどを生じ、中に膿が溜まることもあります。一旦炎症を生じると、切開処置や連日の洗浄軟膏処置を要することも多く、時間的にも体力的にも大変です。炎症が起こる前にしこりがあると感じる時点で受診していただくことが大切です。通常は根治的な標準手術(全摘出術)を基本としておりますが、症例によってはくり抜き法を採用するケースもあります。
皮膚そのものよりも、皮膚の深い位置に比較的軟らかい塊として認識される良性腫瘍です。全身どこにでも発症し得ますが、頚部、肩甲部、上腕、背部、大腿などの脂肪層に多くみられます。症状がなければ経過観察でもよいのですが、大きくなると整容面で問題となったり、運動障害がおこることもあります。治療は切除を行いますが、見た目が脂肪腫であっても大きい場合は悪性腫瘍の可能性もあり、切除の前にエコーやMRIなどの画像検査が必要です。その場合は大きな病院に紹介させていただくこともあります。
母斑細胞の増殖による良性腫瘍です。生まれつきのものや子供の時に生じるもの、大人になってから生じるものもあり、茶色や黒の小さな斑点状のものから、盛り上がっているものまでさまざまなタイプがあります。臨床的に最も大切なのは皮膚がん(悪性黒色腫や基底細胞癌など)を見逃さないということです。ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いてほくろの診断をします。もし悪性を疑う所見があれば、適切な大きな病院に紹介させていただきます。治療は、保険での手術をおこなっておりますが、小さく平坦なものは、美容目的でラジオ波メス用いた切除(自費)やレーザー照射(自費)もおこなっております。
脂質異常症を背景に、皮膚に黄色がかった皮疹やしこりを生じる病気を黄色腫といい、とくにまぶたにできるものを眼瞼黄色腫といいます。上の瞼の内側にできることが多く、整容的に気になる場合は切除して取り除きます。レステロールが高い場合は、内科で飲み薬の治療や食事療法を行いますが、できものは取り除く方法が勧められます。レーザー等で削る治療もありますが、完全にはとれず再発しやすいことや、傷跡が目立つことから、当院では切除してきれいに縫合する方法で手術を行います。
表皮内有棘細胞癌で、悪性腫瘍に分類されます。HPVウィルス(ヒトパピローマウィルス)の感染により発症しやすいと言われています。比較的境界明瞭な楕円形、もしくはいびつな形の紅斑が半年から数年以上続きます。湿疹などと間違えられることがよくありますが、かゆみがないことやステロイドに反応しなかったり、治りきらないまま皮膚症状が持続したりします。放置すれば表皮にとどまっているがん細胞が下層の真皮に浸潤し、有棘細胞癌になる可能性があります。治療は安全領域をとって大きめに切除を行い根治させます。
皮膚の表皮細胞より発生する悪性腫瘍で、皮膚科の領域で最も頻度の高い悪性腫瘍です。典型的には黒い結節となることが多いので、ほくろと間違えられることがよくあります。治療は外科的切除が第一選択で、十分な範囲を離して切除すれば、ほとんど転移することはなく、死亡する可能性は非常に低い(0.1%以下)がんです。きちんと診断をつけ、完全切除することが大切です。手術を行った場合でも1%程度の再発率があり、定期的なフォローアップが必要です。