ニキビ治療の裏話
保険治療と自費治療の違いについて
保険治療というのは、国民全員が加入している健康保険制度を使うことで、費用は一部負担(通常は3割ですね)で受けられる治療です。費用も全国一律、内容も治療指針に則ったものですので、どこも大きくは変わりません。一方で、保険が効かない保険外治療を自費治療=自由診療と呼んでいます。全額負担になるので、医療費の負担が大きくはなりますが、治療の幅がものすごく広がり、自分に合った治療が見つけれる利点もあります。
ニキビに関していうと、保険診療は、割と治療の幅が限られており、実際には保険診療のみでは、限界を感じることも少なくありません。抗菌剤しか無かった一昔前に比べると、この10年で外用剤も新たに複数登場してきたものの、まだまだ非常に限られているというのが現状です。
ニキビの保険診療
(見たくもない意地悪な文字の羅列。尋常性ざ瘡・しゅさ治療ガイドライン2023より)
こちらはニキビ(尋常性ざ瘡)のガイドラインを引用しましたが、何が言いたいかと言うと・・こちらに記載されているもの(ピーリングとAZA(アゼライン酸)除く)は保険適応の治療ですが、よくみると同じ用語があっちにもこっちにも記載されております。
外用剤というと主には予防的な効果が期待できるアダパレンと過酸化ベンゾイルの二種、と抗菌剤です。内服薬は、抗菌剤と補助的な漢方くらいのものです。処置は面包圧出や、溜まった膿を出す切開排膿に限られます。
これらの治療は炎症性のニキビを抑えるのに基本でとても大切です。だからと言って、これで皆が治るわけでもなく、皆が満足する塗り薬ばかりではなく、とても十分とは言えないのが残念なところです。
ニキビの自費診療
そこで自費診療によって、よりニキビができにくい肌質にするための治療や、重症でこちらの薬だけでは勢いが止まらない場合の治療などを、幅広い診療メニューで提供しているのです。
海外から個人輸入したり、機械が必要だったり、粧材を使って時間をかけて行う処置だったりするので、保険診療の自己負担分のお値段と比較するとどうしても高額になってはしまうのですが、より早く改善させたい、跡形を最小限に抑えたい、できてしまった跡形を少しでも良くしたいというニーズにはお応えできると思います。
医療機関によるニキビ治療の違いは?
ニキビは総合病院の皮膚科でも、個人の皮膚科クリニックでも、キラキラ系の美容専門クリニックでも扱う疾患です。
ではそれらの医療機関によって、治療は同じでしょうか?もちろんNOです!実は、だいぶ違うのが現状です。
総合病院でのニキビ治療
総合病院では基本、保険診療のみ。病院は皮膚科といえど、重症な患者さんがメインに集まる施設であるため、軽症の多いニキビを見る機会は実は少なく、意外とニキビが苦手な医師が多かったりします。少なくとも勤務医時代の私はそうでした。特殊なニキビでなければ、お決まりのお薬を出して、次は近くの個人のクリニックに行ってくださいね、という具合です。個人クリニックでは診るのが難しい患者さんに十分な時間を割きしっかり対応する必要があるため、軽症の方を病院で抱えこまないという役割分担の一つでもあります。そういうわけで総合病院なら、どんな疾患でも最高の最良の治療!というわけでもなく、実は得意不得意分野があります。
個人皮膚科でのニキビ治療
(皮膚科クリニック代表・・うちのクリニック笑)
個人皮膚科クリニックではどうでしょう。うちのクリニックもここに属します。はっきり言って、得意分野です。←。総合病院のような診断や管理が難しい患者さんが少ない分、1日に診察する患者さんの数は、総合病院の外来に比べてうんと多いです。ニキビで訪れる患者さんも圧倒的に多いので、慣れています。都度再診いただきじっくりと同じ患者さんに向き合う中で、こういう感じの皮膚にはこういうアプローチが良さそう、といった直感は、国の出す治療指針だけでは身に付かないもので、臨床的経験値がとても大切です。
美容専門クリニックでのニキビ治療
(美容クリニック代表・・外観から城!)
ではキラキラ美容皮膚科って?こちらもニキビを売りにしているクリニックも多く経験はそれなりに多いと思いますが、美容皮膚科の先生は経歴を見ていただけるとわかりますが、色んな科目の出身の先生がいます。研修医上がりの先生ももちろんいらっしゃいますが、必ずしも皮膚科の診療がベースにある方ばかりではありません。そのため、実はニキビでないものを、ニキビとして治療されている、そもそも診断が間違っているケースなんかもあります。もう一点注意すべき点は、自費診療しか扱っていないことが多い点です。保険適応の薬も自費で出さざるを得ません・・(つまり高くつく。)
結論:おすすめのクリックとは
ニキビは保険診療と自費診療ともに扱う皮膚科クリニックがおすすめ!
皮膚科医の適切な診断のもと、保険診療でできることをきっちりと行った上で、それを補足する形で、必要な方には美容的なニーズにもしっかりお応えする自費治療を提供するからです。もちろん保険診療を皮膚科クリニックで行った後に、まだ目指すところまでの皮膚状態にならなかった場合に、美容専門のクリニックへ行くのもありだとは思います。よりホテルライクな空間や接客を希望されている方には良い選択ですが、値段も診療内容も自由なだけあってただしクリニック選びはとても難しいですね。
治療の具体的な内容についてもまた改めてお伝えする予定として今回はここまで。
今日は、ちょっと、いやだいぶ、ポジショントークぽくなってしまいまいましたね。え、いつもそうかもって?うん、人間だもの。。