当院での麻酔の工夫〜痛くない美容医療?痛くないしみ治療?痛くないスレッド?〜
美容医療というと、興味はあるけど、「痛い」「怖い」などのイメージが付きまとい、一歩踏み出しにくい方も少なくないのではないでしょうか。“ただ塗るだけ!簡単に劇的変化!”なんていう夢の治療はありませんで……当院で行う施術は医療行為ですので、しっかり効果を出すために、熱を入れたり、針を使ったり、メスを使ったりという、内容によっては侵襲を伴うメニューもあります。大きな変化を出すのに、痛みゼロなんていうのは難しいことではありますが、あゆ皮フ科クリニックでは、最大限に痛みに配慮し、不安に寄り添いながらストレスを少しでも減らした美容治療を目指しております。施術メニューに応じて、いい塩梅の麻酔を行うことで、痛みをできるだけ抑えてご希望の治療を行えるよう、きめ細やかなケアを心がけている「つもり」です。
私自身、怖がわり、痛がりですので、つい最近も久々に内視鏡でも受けとこかと思ってまず検索したのが、『高槻 胃カメラ 痛くない』でした笑。医者であってもそんなもんです。施術直後に、結果を内科の先生にお話ししたもらったのに、もう麻酔でふらふらすぎて記憶がほぼ皆無で、会話の内容も忘却の彼方。。検査の結果は、大丈夫だったんだろうか・・と思いながら今ブログ書いてます←
で、きっと美容医療を受けたい方でも、『しみ治療 痛くない』と検索している方も多いのでは?と思ってます。
麻酔の種類
①表面麻酔
表面麻酔は皮膚表面の感覚を麻痺させるので、麻酔を塗った部分のみに効果があります。
麻酔を塗った部分以外には影響を及ぼさないので、お顔の施術の場合はお体まで麻痺させることもなく、意識もはっきりとした状態で施術を受けることができます。
効果は1-2時間ほど続きますので、施術が終わったあともしばらくは皮膚が麻痺した状態が続いたり、違和感が残ることあります。
患部にピンポイントで麻痺させることができるというメリットがありますが、リドカインなどのアレルギーがある方はアレルギー反応を起こしてしまう可能性がございますのでご使用いただけません。
・クリーム麻酔
方法:施術範囲にクリームを塗り、上からラップなどで密閉し20~30分ほど時間をおき、その後麻酔を拭き取ります。
クリーム麻酔を使うシーン:サージトロンを使ったいぼ取り放題、ダーマペン、肌育注射(ボライトなど)、ひげ脱毛、婦人科形成など
・テープ麻酔
麻酔薬を含有したテープを直接麻酔をしたい部分に貼付します。
テープ麻酔を使うシーン:リップのヒアルロン酸
・点眼麻酔
方法:薬を数滴点眼し、目の表面を麻酔します。数秒で効果がでて15分程度持続します。
点眼麻酔を使うシーン:目の際のしみレーザーショット打ち、二重埋没(点眼後に眼球保護のための金属を目の表面におきます)
②局所麻酔
・局所注射
方法:処置する部分に直接麻酔の注射を打ち、意識はある状態で、その部分だけ痛みを取り除きます。注入痛が数秒から1分ほどありますが、すぐに効果が出ます。
局所注射を使うシーン:サージトロンを使ったほくろとり・いぼとり(10ヶ所程度まで)スレッドリフト、婦人科形成、眉下切開、二重埋没
・神経ブロック
局所注射よりも少し広い範囲を麻酔したいときに行ないます。知覚神経の根もとに少量の麻酔薬を注射し作用させることによって、その神経が支配している領域を広範囲に麻酔(ブロック)することができます。
ブロック麻酔を使うシーン:リップ・額のヒアルロン酸、スレッドリフト
③笑気麻酔(吸う麻酔)
方法:鎮静作用、鎮痛作用を持つ亜酸化窒素というガスを鼻から吸います。リラックス状態になり、お酒を飲んだときのふわふわした感覚、頭がぼんやりとする感覚があり、眠気が生じるため眠ってしまう方もいらっしゃいます。 それにより全身の痛みを感じにくくなりますが、全身麻酔との違いは完全に意識を失うものではないため、周囲の声掛けに返事ができます。表面麻酔と違って吸入後すぐに効果が現れ、覚醒も早いことが特徴。ガスの吸入をやめると2分ほどで麻酔の効果はなくなります。
笑気麻酔に使用する亜酸化窒素は肝臓で分解されず体外に排出されます。そのため、肺や心臓への負担が少なく副作用はほとんどありません。歯科などで小さなお子様の治療にも使われるほど安全性の高い麻酔ですので、気軽に使用していただけます。
笑気麻酔が使えない方
喘息など呼吸器疾患のある方
鼻詰まり、鼻の病気で鼻呼吸ができない方には使用できません
てんかんの既往がある方
肺や腸に閉塞性疾患のある方
中耳炎などの中耳疾患のある方
緑内障の方
笑気麻酔を使うシーン:ボトックス注射、肌育注射(ボライト)、ヒアルロン酸、スレッドリフト、モノスレッド など
当院の痛み配慮へのこだわり
そのほか、局所麻酔の注射時は、極細の針を用いてゆっくり浸透させたり、マイクロカニューレという、細い管を用いることで何度も針を刺すことを回避したり、局所を保冷剤で冷やすことで感覚を麻痺させたり、介助者による肩トントン、手を握る、ストレスボールを握る、ブルブル震えてちょっと意識がそっちに行ってしまうものをあてがう(ブルブルペン)など、さまざまに痛みを減らすための工夫をおこなっています。
というわけで、全く痛くないとか、痛みがゼロ、はちょっと言い過ぎにはなりますが、いろいろな痛みを緩和するための手段を用意して、『痛みの少ない美容医療』を意識して行っています。
↑スレッドリフトの施術風景。後ろに笑気麻酔がチラッと見えてます。
痛みに弱い方、なんとなく怖い方は、ぜひカウンセリングの時にも、お声がけくださいね。麻酔だけではなく、治療方針にも、ご要望を反映したいと思ってます^^