胸、背中、二の腕ぶつぶつは治りにくいニキビ?ではなくマラセチア毛包炎かも・・・・|背中ニキビ|難治性ニキビ||あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

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胸、背中、二の腕ぶつぶつは治りにくいニキビ?ではなくマラセチア毛包炎かも・・・・|背中ニキビ|難治性ニキビ||あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

胸、背中、二の腕ぶつぶつは治りにくいニキビ?ではなくマラセチア毛包炎かも・・・・|背中ニキビ|難治性ニキビ|

こんにちは。大阪府高槻市の皮膚科と美容皮膚科のハイブリット診療を行うあゆ皮フ科クリニック院長の菊澤亜夕子です。

今日は治りにくい体のニキビに紛れている、マラセチア毛包炎のお話です。

これまで胸や背中のからだニキビの治療を頑張ってきたけど、全然よくなりませんという方の中で、割と紛れているのが、通常の尋常性ざ瘡ではなく、マラセチアという真菌感染症であることがあります。

見た目と症状の特徴

見た目はニキビと似ていますが、赤みが強く、硬い盛り上がりで、大きさが揃っているブツブツ(均一なサイズの充実性紅色丘疹)が多数生じます。症状的には、痒みを伴うことが多いですが、痛みはありません。

症例1、20代男性、6月撮影。お写真の提供をありがとうございます。前胸部は、典型例でとても多くの方に参考になる写真かと思います。

ニキビとの違い

よくあるニキビ(尋常性ざ瘡)との一番の違いは、面包と言われる毛穴詰まりがないことです。ニキビは大小あったり、炎症後色素沈着や炎症後紅斑、毛穴詰まりのザラザラとした感じがあったりと全体的に新旧混在したり、大小不揃いな印象ですが、それに比べるとマラセチア毛包炎は均一な印象となります。

症例2、30代男性、8月撮影。お写真提供をご快諾くださりありがとうございます。

マラセチア毛包炎の診断法

え?見た目ニキビと一緒やんと思いますか?うん、でも皮膚科医が見ると、ほぼニキビとは違うと見た目でわかります。そのため私は、検査ほぼしてません。すいません。やろうと思えば、この赤い丘疹を潰して中身を取って、顕微鏡に載せて、KOHという足白癬の時に使う液体とは違うメチレンブルーという特殊な染色液を用いて行います。私は他の疾患との鑑別を要する時のみ行います。

マラセチアとはどんな菌?

誰の皮膚にでもいる常在菌である真菌、カビの一種です。毛穴で増殖するとマラセチア毛包炎、皮膚で増殖すると癜風と呼ばれる病変となります。誰にでもある菌なので、触ってうつるようなものでもありません。

夏場の高温多湿を好む菌ですので、特にこの6月頃から患者さんが増える印象ではありますが、冬だから違うとは言えません。

湿疹などの病変にステロイド外用治療をおこなっていると、局所の免疫力が落ちて、真菌がはびこり安くなるので、副作用的にマラセチア毛包炎を起こすこともあります。

重要☆マラセチア毛包炎の治療は?

今日一番言いたいのがコレ。治療はニキビ(尋常性ざ瘡)とは異なります。これが言いたかったーーーー!ニキビは毛穴詰まりを改善させる面ぽう治療薬であるべピオ(過酸化ベンゾイル)の外用が最も基本となりますが、マラセチ毛包炎の場合は、ほぼ塗っても治りません。外用剤が効きにくい、いや効かない。何回も言います、ニキビと違って塗っても塗っても治らないことが多いので、飲むんです。抗真菌薬を内服するのが一番やと思います。イトリゾール(イトラコナゾール)という薬を服用すると一気に改善します。そう一気にというのは、大体1−2週間後の再診時には、完全ではないですが、ある程度茶色く平坦化しつつあるような枯れてきた変化が見られます。

飲み方のポイント

イトリゾールは食事の影響を受ける薬ですので、食直に飲みましょう。私の処方は、漢方薬を除くと多くの処方は、夕食後などと記載させていただいておりますが、イトリゾールだけは、「食直後」と記載させていただいている所以です。

治りにくいニキビとして治療されている方、ニキビとしてお悩みの方、実は顔も体もニキビ以外の疾患が隠れている可能性もありますので、ぜひご相談くださいませ。お待ちしております。