巻き爪のワイヤー治療 | 巻き爪と陥入爪との違い
- 2025年9月20日
- 爪トラブル
高槻市茨木市の皮膚科と美容皮膚科のハイブリット診療を行うあゆ皮膚科クリニック院長の菊澤亜夕子です。
今日は巻き爪のお話。巻き爪って専門は誰なんでしょうね。私は巻き爪は皮膚科医の領域と思って生きてきましたし、総合病院でも爪トラブルは皮膚科が担当するしきたりだったので、ぜひ皮膚科に!と思ってます。が、巻き爪は足の骨格的な問題から生じることもあるためか整形外科で治療していたり、ネットで検索したら、サロンなんかでも取り扱っているのですね。あえて皮膚科を受診するメリットを考えてみると、一つは爪白癬など合併している爪や皮膚の疾患に対しても対応ができることでしょうかね。あとはわかりませんが、爪は皮膚の一部なので皮膚科が専門かなと思ってはいます。
マルホ(株さんの資料より抜粋
とりあえず巻き爪とは、爪が巻いて皮膚に突き刺さって痛みが生じる疾患です。ちょっと巻いてるけど痛みがないのであればそこまで気にすることもないのですが、巻きによる湾曲が高度になると指の先端の皮膚を巻き込み圧迫し、時に皮膚にえぐれるような傷を作ったり、2次的にばい菌がついたりします。また痛みを感じにくい糖尿病性神経障害があったりする場合はより注意が必要です。なお陥入爪は、爪が短く切られすぎて食い込んでいる状態なので、巻き爪とは正確には異なります。
巻き爪矯正のワイヤー治療の実際
①爪に穴をあける
この穴をあける場所と角度が割と大事。写真ではわかりにくいと思いますが、適当に穴を開けてません。力学的なことを考えて穴を開けます。
痛みが心配?ですよね。大丈夫です。元々触れただけで痛い!というほど症状が強くなければ普通は穴あけの時に痛くないので、無麻酔で可能です。痛みがあったらもちろん麻酔用意しますが、麻酔を要する方はほとんどいません。
②ワイヤーを通します
ピーンとまっすぐに伸びる弾性ワイヤー。太さも人によって変えてます。人というより爪によってですね。薄い爪には細めのワイヤーで爪が割れないように注意して、硬くて厚い爪には、太めのワイヤーをチョイスしてます。痛くないです。
③ワイヤーの長さを調整して整えます
④いい感じに入ってるか、チェック!
⑤ワイヤーの固定
ワイヤーが抜けないように固定します。光を当てるだけなのでやっぱり痛くない。やっぱり痛くないはず。
⑥仕上がり
普段はもう少し爪を短めに整えることが多いですが爪が割れやすかったり、伸びるスピードがゆっくりな方であったり色々で、今回は長めに調整しています。そしてワイヤーはできるだけ爪の根元に近い側に挿入して、できるだけ長持ちさせるようにしてます。フツーに靴履いて帰れます。
ワイヤー治療ができない人
爪が短く切られすぎてたり、そもそも巻きがなくて、ただただ平たい爪が刺さりこむ陥入爪などのケース。逆に巻きはあるけど爪がある一定の長さまで伸ばせている人はワイヤーの良い適応です。
ワイヤー挿入、その後の付け替えは?
その後は1ヶ月で来院いただき、爪の伸びが早い方だと、先端を少し切って調整。伸びがゆっくりな方は2−3ヶ月はワイヤーそのままです。で長くなって爪が当たって邪魔になるタイミングでワイヤーを抜いて、爪を切って、一旦終了の方もいれば、巻きが強く、取ったらまた傷みそうなケースではそのまま再挿入することもあります。巻き爪と言う根本的な変形を一度の治療で一生治すわけではないので、湾曲が強くなってきたり、やや痛みが出そうだとなれば適宜処置を行う必要があります。
巻き爪ワイヤー料金
1趾 初回¥8,000+税 2回目以降¥6,000+税 (ワイヤー代込)
予防治療なので矯正歯科と同じで保険は適応されません。
なお、予防治療が不適な状態で、炎症や痛みを伴っている場合に症状を解除するような部分抜爪や人工爪などは保険適応となります。その場合は痛みのある処置となります故、ブロック麻酔注射を事前に行いますが、その麻酔に痛みを伴います。