婦人科形成のお話その17ー女性のデリケートゾーンのできもの ・ 小陰唇の粉瘤 ・ 小陰唇のニキビ ・ 小陰唇のおできを根治的に治す〜 症例写真〜
- 2025年10月8日
- 婦人科形成(女性器形成)
大阪府高槻市茨木市のあゆ皮フ科クリニック院長の菊澤亜夕子です。今日は婦人科形成についてのブログです。今週も2件婦人科形成のオペを行いましたが、個人の皮フ科クリニックで、毎週のように婦人科形成のオペをしてるところは稀かなと思います。元々皮膚科医として長年仕事してますが、ただただ私がこの手術への熱意を持って行ってるので美容外科クリニック並みに患者さんが集まってくれてる感じしょうか。ありがとうございます^^そんな当院でよく扱う皮フ科クリニックだからこその婦人科形成についてお話ししようと思います。
今週の自撮りがなかったので、最近作った道の看板デザイン、笑。確か、岡本町か上土室か、南平台あたり・・だったかの交差点に出します♡
当院では、デリケートゾーンのできものでお困りの方に対しても婦人科形成で根本的な治療しているので、詳しくお伝えしてみます。
デリケートゾーンという場所的に特徴的なできものとして、皮膚科の教科書にも特別な項目はないですし、特別な病名もないのですが、女性のデリケートゾーンである大陰唇、小陰唇、股の付け根(鼠けい部)などに生じるできものトラブルって意外と多いのです。しかもめっちゃ困る。場所的に言いにくいし、家族にもみてもらいにくいし、かといって自分でも見えにくくてどうなってるかわからなくて不安だし、でも擦れやすくし痛みが出やすいし、やっと治ったと思ったらまた炎症起こしてトラブルに見舞われ、本当に一度なった方は、この困り具合とてもわかると思います。でもって、結局どこの病院を受診していいのかわからぬまま、とりあえず婦人科を受診すると、ちょっと内服出してもらって終わりというケースも少なくありません。婦人科もどちらかというと外陰部の外側より内側を得意とする領域だから、専門外だったりします。で結局治らないし、繰り返すし、色々の末に当院に来られる方が多い印象です。
デリケートゾーンのできものとは?
デリケートゾーンのできものにもさまざまな種類があります。無害なものとしては、赤いぶつぶつ(被角血管腫)、白い細かな無数のぶつぶつ(フォアダイス状態)、白いポコポコ(脂腺嚢腫)などがあります。痛みもないし、赤みもないし、見た目以外に困らない無害組のできものについてはちょっと置いておいて、かつ痛みはないけど有害ではある珍しい皮膚癌もちょっとさて置いて、ヘルペスとかコンジローマとか梅毒とかSTDと言われる感染症もまた今度にして、今日は、痛くて、赤く腫れあがって、膿がでたりして、とっても不快な症状が生じる「炎症性のできもの」についてクローズアップしてみます。
炎症を起こすデリケートゾーンのできもの
痛い、赤い、腫れる、汁や膿が出てくるといった炎症を起こして困るのが、「毛嚢炎」「せつ」「粉瘤」これらのできものになります。この困ったできものたちを2つに大別して示します。(ただし、炎症を起こしているタイミングではこの二つの区別は困難です)
①毛嚢炎、せつ:一時的な炎症で治ってしまうもの
せつのイメージ
一時的に赤くなって腫れ上がる毛穴の炎症が「毛嚢炎」毛嚢炎が深い部分で膿となってたまるのが「せつ(癤)」。これらの毛穴の細菌感染である炎症は、一時のことで、抗菌剤内服や時には膿を出すための切開処置を行いますが、いづれにしても一回生じたあとはしこりを残さずに治ってしまいます。その場しのぎである、火消し対応の処置で問題ありません。処置するにも痛みが強い場所なので、色々不安はあると思いますが、1度の治療ですぐに楽になることが多いです。塗ったり飲んだりの保存的治療で乗り切れるか、頑張って処置したほうがいいかなどは、診察時に判断して、できるだけ患者さんの生活スタイルや要望などを聞いて意向に沿った対応してます。
②粉瘤:同じ場所に炎症を繰り返すもの
最も困るのがこのタイプですね。①のような火消し対応しても、しょっちゅう繰り返すタイプ。前も痛い思いしたのに、再度赤く腫れてきて、またかよー(泣)ってなりますよね。この場合は、感染を起こす「巣」となる何らかが皮膚の中にずっとあり、炎症が落ち着くと一見おとなしいものの、多くはしこりとなってコリコリと触れます。ただし炎症がない時には全くしこりとして触れなくなるのに、また炎症を再発させるものも。時にあります。数も1個の場合もあれば複数の場合もあります。この炎症を繰り返すタイプのできものの根本的な対応は、手術加療になります。その『巣』自体を外科的に取り除くほかありません。
そこで、当院では「婦人科形成の手術により、見た目にも美しく、小陰唇の炎症を繰り返すできものを取り除き、炎症によるトラブル再発を予防する」という目的で、デリケートゾーンの見た目以外のお困りごとに対応する形での手術も行います。必要に応じて私の判断でできものを病理検査に出して診断をつけたりもしますので、美容外科に特化した大手ではないような、病気を診る医師としての対応もしてます。保険診療に特化した大きな病院やクリニックでは根治的な婦人科形成という保険適応外の手段は提案されないことが多いので、(私も正直大病院に勤めてた頃はこの手術を知りませんでした・・)何度も痛みや腫れでお困りの方は、ぜひ保険診療も美容外科も掲げている当院でご相談くださいませ。
まずは診察で、根治的手術の適応の有無についてお伝えしてます。手術でQOLが向上すると判断した場合は、きっと良くなります!とお伝えします。状態よっては、もしかしたら良くなるかもしれんけど、もしかしたら期待ほどは良くならないかもしれない、ないし手術をしても残念ながら改善を得るのは難しいなど、全部正直にお話して手術の適応を決定しています。大手のクリニックの雇われ医師とは違って、私は何年も、いや10年、20年とここでクリニックをするつもりですので、転勤しません。そう逃げも隠れもできませんので笑、信用安全第一でやってます。
炎症性のできものを保険診療で治療するのも、婦人科形成のカウンセリングも、手術も、その後のフォローも全部私が担当するので、そこは個人クリニックの良いところかもですね。私自身も自分がした手術は全て経過を追ってますので、その意味でも開業前の何年かよりも開業して2年間は、たくさんの方を担当させていただいて、フィードバックをいただきとても成長させてもらいました。
デリケートゾーンのトラブルは、診察に来るのもすごく勇気が必要と思いますが、当院では外陰部トラブルをみない日はないくらい毎日診療してますので、私だけでなくスタッフもみんな対応に慣れてますのでご安心くださいませ。
最後に症例写真
手術に値引きもない中、ただご好意のみでご提供いただいたお写真になります。本当にありがとうございます。お写真提供いただいた患者様のお気持ちに感謝して、供覧いただければ幸いです。今、手術でお悩みの方の参考になりますように。。
①左小陰唇粉瘤単発例に対する左小陰唇切除例
真ん中のお写真では、術前に左小陰唇をぺろっと内側にまくり込んで、陰唇裏側からできものの膨らみを確認しています。今回の要望としては、粉瘤が炎症を繰り返し、その都度切開し排膿させるのも大変だし、根本的になんとかしたい。整容面は気にならないので、左のみ小陰唇を切除したいというご意向で、左のみ綺麗にした直後が一番右の写真です。
切除した標本です。青丸が粉瘤です。真ん中に割を入れて内容を肉眼で確認の上、病理検査に提出し、悪性のものではなく、粉瘤で間違いないこと組織学的診断をつけてます。皮膚の下にできるものは、見た目に良性悪性の判断がつかないことが多いので、時に顕微鏡で見ての確定診断を要します。
ちなみに、1ヶ月後検診にてとても小陰唇の形状が綺麗になったとご満足いただきましたが、患者様としてはやっぱり右側の小陰唇も綺麗にしたい気持ちになったということで、今度左に合わせて右の小陰唇縮小も予定しています。さらに見た目に綺麗になりそうでいいですね。
②両側小陰唇と右副皮に炎症を繰り返すしこりが多発する例
青いところがしこりですが、表面的にはほぼ分かりません。が、短い周期でいつもどこか腫れてるくらいに炎症を繰り返し、困ってました。副皮にまで排膿を伴うような病変を認めていました。炎症を起こしてる時に、メスで切り込むと傷が綺麗にひっつきませんので、術前に抗生剤の内服を2週間行い、炎症を完全に鎮静化しコンディションを整えてから手術を行いました。両側の副皮に引っ付いた形で小陰唇が発達しているので、両側小陰唇と両側副皮を切除しました。
切り取った副皮〜小陰唇の断面には炎症を起こす原因病変が一部見られ、とられた小陰唇には複数のしこりを触診上認めました。ただ外観上、できものがはっきり見えな部分もありましたため、完璧にしこりをとりぞのけたかどうかはわからない部分もあり、今後も経過を見ていく予定です。
術直後なので、少し凹凸感やむくみがありますが、直後から整った形状になりました。開脚の角度が少し違うので、比較写真としてはちょっと出来栄えがイマイチがそこは差し引いて見てくださいませ。1ヶ月後の仕上がりとが楽しみですし、何よりこれで抗生剤をしょっちゅう飲んだり、また再発するかもと怯える日々から解放されるといいなと思います。
まとめ
当院では女性医師である私が、皮膚科医としての知識と美容外科での手術経験を総動員して診療を行っています。見た目の問題以外にも、悩ましいことがある方も、一度ご相談にいらしてください。人に言いにくいデリケートゾーンの不快にお悩みの方が少しでも過ごしやすくなればいいな♡と思いながら日々真面目にコツコツ診療を行なってます。