ほくろ除去〜方法と傷跡と痛みについて | 傷跡残らない | 痛くない | サージトロン | レーザー | 保険適応 | 症例写真|あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

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ほくろ除去〜方法と傷跡と痛みについて | 傷跡残らない | 痛くない | サージトロン | レーザー | 保険適応 | 症例写真|あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

ほくろ除去〜方法と傷跡と痛みについて | 傷跡残らない | 痛くない | サージトロン | レーザー | 保険適応 | 症例写真

こんにちは。大阪府高槻市の皮フ科と美容皮膚科のハイブリッド診療を行うあゆ皮フ科クリニック院長の菊澤亜夕子です。

当院は美容診療を積極的に取り入れているクリニックなのでか、綺麗にほくろを取りたいというほくろ除去の相談がとても多いです。見た目は良性のほくろに見えて、実は皮膚がんもあるので、初めに疑診は大事だという話はさておいて、良性のほくろという前提で話をしますね。(今日は文章が多くなってしまって読みにくいかも・・汗)

形状的なほくろの分類として、わかりやすく二つに分けると①平坦なほくろ②盛り上がりのあるほくろ、とがあります。そのどちらかで治療法が変わります。

①平坦なほくろの治療法

Ⅰ:レーザーで薄くする

平坦なほくろの場合、レーザー照射で色素に反応させて色を薄くするというシミの治療に準じた治療法で色を薄くしていくことが可能です。一回でほぼ消えるレベルで薄くなることもありますが、基本的には数回の施術をイメージしておく方が良いです。ゴムで弾かれるレベルの軽い痛みですので、麻酔の注射も不要で、お冷やし程度で施術が可能です。また傷になる可能性がない!というのが最大のメリットで、ガーゼも不要で非常に手軽。軽々しく行なっていいと思っておりますので、小学生でも希望があれば行うことも多々あります。ただし、色素がとても濃いほくろには、なかなか効果が出にくいことがあるのは欠点。保険も適応されません。

Ⅱ:サージトロンで削る

平坦ながら色素がとても濃い場合や、上記レーザーのように一度の施術効果が不確実で複数回の施術を行うのが嫌だという場合には、削ることで確実にほくろを除去します。当院ではサージトロンという高周波メスを用いております。炭酸ガスレーザーと似たようなものですが、サージトロンは周囲への熱影響によるダメージが少なく傷跡も綺麗に仕上がる優秀な機器と考えており、サージトロンを採用しております。治療は基本一度!というのが最大のメリット。残存や再発がゼロとはいきませんが、それほど問題になることはありません。ただし、こちらは、Ⅰのレーザーとは異なり、削るため、痛みがあるので局所麻酔の注射が必要になります。ちくっとつねる様な痛みが何秒間かあります。また皮膚を傷つけるので、大なり小なり傷が残ります。故に将来的に傷はなじみますが全く元通りの皮膚とはいきませんし、削ることによりしばらくはじゅくじゅくとした滲出液を生じるので、1−2週間の間、傷からの汁を吸ってくれるテープ、キズパワーパットに準じた被覆材を必要とします。保険は適応されません。

イラストにすると・・

ほくろはイボ(脂漏性角化症など)とは異なり、意外と細胞が表面にとどまらず深い部分にあったり、色素のメラニンも深い部分に落ちています。

ですので、盛り上がっている部分だけではなく、もう少し深く削る必要があります。この深さの決定が大事で、再発しにくいように、でも傷あとのくぼみがそれほど目立たないようにという絶妙のところで削ります。

削ると多少なりくぼみが生じます。

 

凹みは、時間とともに段々と肉が盛ってきてほぼ平坦になっていきます。1ヶ月程度でかなり落ち着いきますが半年〜1年かけてさらに綺麗に治っていきます。

②盛り上がりのあるほくろの治療法

盛り上がりがある場合は、全く傷を残さないレーザーで色を薄くする方法は基本不適です。ほくろ細胞のボリュームを減らす、つまり何らかで削るなり切るなりしないと小さく平坦にはならないからです。つまり皮膚に多少なり傷をつけてとる必要があるため、全く元通りの皮膚に戻るというのは不可能で、多少なり傷が残ることになります。傷跡の話は後述します。

Ⅰ:サージトロンで削る

①平坦なほくろの取り方で、前述した通りです。

Ⅱ:メスや医療用ハサミで切離する

ほくろの部分に針を刺して局所麻酔を要するので、やっぱり麻酔の痛みが何秒間かあります。歯の麻酔や予防接種の様な痛みです。盛り上がっている部分から真皮と言われる皮膚の深い部分までこそぎ取るように切り取ります。我々皮膚科医は、何度もほくろを除去して、摘出したほくろを顕微鏡で見て細胞レベルでのほくろのイメージがあるので、経験的にほくろをとる深さをわきまえています。深く取りすぎても傷が大きくなるし、浅すぎてもすぐに再発するので、程よい深さで比較的再発は少なく、比較的傷が目立ちにくい深さで切り取ります。医師の技術にとても左右される方法でもあります。機械の使用は最小限にとどめるため、熱を加えないことで、これもまたとても綺麗に仕上がります。処置後はやはりじゅくじゅくとした滲出液を生じるためⅠのサージトロンと同様にテープが1−2週間必要になります。

美容的な要素以外に、ほくろが出っ張っていて邪魔になる、引っかかる、もしくは悪性が心配などの理由があれば保険が適応されます。

Ⅲ:切除して縫合する

切除縫合を行うケースは多くはありませんが、5ミリ以上でサイズが大きい、テープを貼りたくない、顔以外の場合などにしばしば行います。またサイズや部位に関わらず、私が肉眼もしくはダーモスコピーという機器を用いて判断した際に、悪性が否定できないと考えた時はきっちり深くとる必要があるので、切除縫合を採用し、しっかりとって組織検査を確実に行います。いづれも保険適応の術式になります。

イラストにすると・・・

このようにほくろの周りに円形なり、葉っぱ型(紡錘形)なりに切り目を入れてます。

切ってほくろを脂肪組織までの深いレベルで取り除き、縫合します。このような単純縫縮という真っ直ぐに縫うケースもあれば、巾着縫合という丸いものをキュッと中心に寄せて縫うケース、大きい場合は皮弁と言って、正常な皮膚に少し切り目を入れて欠損した部分を覆うように移動させるケースなどあります。

  

真っ直ぐに塗った場合は、このような線状の傷が残ります。その後もテーピングといった傷を固定するアフターケアなどをして傷を綺麗にしていきます。この方法ですと基本的に再発はありません。

ほくろ除去後の傷跡について

何より傷跡はどうなるの?という点が、一番気になると思います。①−Ⅰのようなレーザーで色を薄くしていくという方法以外、何らかで削るなり、切るなりと、皮膚の真皮という深い部分に傷がつくと全く元通りの皮膚には再生されません。悪性が疑われる場合以外は基本的には整容面を重視して除去します。故に傷がほくろがあるときより目立たない様に、化粧で隠しやすいように、を目指して行います。厳密には周りの皮膚と全く同じテクスチャーは難しいので、大なり小なりの傷跡に置き換わるという認識ですね。どのクリニックのホームページにも「傷は全くなくなります」とされてはおらず、「ほとんどわからなくなります」などと記載されている理由です。そして部位によって傷跡の目立ちやすさが変わります。

部位による傷跡の違い

顔は比較的綺麗に治る部位ではありますが、顔の中でも口周りのように、喋ったり、食べたたりと動きの大きい部分は肥厚性瘢痕という赤みや盛り上がりをきたすリスクがときにあります。。1−2ヶ月をピークに馴染んでいくケースが多いですが、残りやすいケースでは内服、外用、注射などといった瘢痕に対する治療を行います。多くのホームページを見てると綺麗になるような話ばかりで、傷跡について触れているものは非常に少ないですが、実際はこういった合併症もありうるので、説明は必ずしています。

肥厚性瘢痕の一例

ほくろのサイズ、ほくろ細胞の深さ、肌質、部位によっても結果は変わりますし、同じ肌質で同じほくろの深さというケースを想定して、術後の傷跡のお写真を見せるのも難しいです。ある程度術前に、傷の予測しますが、傷のきれい、思ったよりきれいでないは、私と、そして患者さんの客観的な評価になってしまうので、しっかり説明の上、今より目立ちにくくなったらいい、というお考えの場合に処置を行なうようにしています。

症例写真

お写真の掲載をご快諾いただきありがとうございます。口周りのほくろ除去②-1の術後半年の方です。この部位のほくろは肥厚性瘢痕のリスクが高い部位になりますが、術後経過は良好です。やはり傷を皆無にはできず、よーく見ると傷(白色瘢痕)がわかりますが、私としては、化粧で隠れるレベルで目立たない傷と言ってもいいかなと思います。ただお写真を提供してくださった患者さんは、まだ傷がちょっと気になるとおっしゃってました。

ほくろ除去の痛み

削ったり切ったりせず、レーザーで薄くする方法であれば、ゴムで弾かれる程度の痛みで秒単位ですので、麻酔注射する方が痛い、という判断のもと保冷剤で冷やして感覚を麻痺させて行います。パチパチっとなる程度です。

サージトロンで削ったり、メスや医療用のハサミで切ったりする場合は、局所麻酔の注射を使います。この場合は麻酔注射をほくろの周囲にしますので、数十秒間つねられる様な痛みがあります。歯科麻酔というと想像しやすいでしょうか。でも割と短時間で、もう終わったの?という感じだとは思います。切ったり削ったりという処置の痛みはゼロで行います。案外大丈夫かなと思います。

当院でのカウンセリング

良性を疑うほくろか(診断かそもそもほくろではない可能性もある)
保険適応か自費か
どのタイプの取り方をするか
テープがいるかいらないか
当日可能かどうか

など全て診察での相談になります。また当院では、思っていたのと結果が違うとならないように、予測される結果として、若干の傷が残っても除去したら今よりずっと良くなるよ、ちょっとリスクがあるからその点も踏まえて検討してね、などときちんと説明するようにしています。

実際の患者さんのお声としては、ほくろ除去は思っていたよりも簡単で、ずっと悩んでいたのに早くこればよかった、という声が多いように感じます。ぜひご相談にいらしてくださいね。