ニキビ跡(ニキビ痕)の種類〜ニキビ跡治療の値段とは?安い?高い?
こんにちは。大阪高槻市の皮フ科と美容皮膚科のハイブリットクリニック、あゆ皮フ科クリニック、院長の菊澤亜夕子です。気が付けば10月も半ば、今年も2ヶ月ちょっとか・・とか思うと急に気合いが入りますね、一瞬だけね。
毎日のようにご相談いただくニキビ跡治療について、今日はお伝えしてみます。その前に、そもそもニキビ治療とニキビ跡治療、これは似て非なるというか全然違いますので、そこからですね。
ニキビ治療とは
新しいニキビを抑える治療がニキビ治療です。当たり前と言えば当たり前ですが、ぶつぶつ(病気)が出来ないようにする治療です。白いプツッとした毛穴の詰まり白ニキビ、皮脂が詰まって酸化して黒い毛穴詰まりとなった黒ニキビ、これらはニキビ予備軍とも言えますね。この赤くもない腫れてもないただプツッとしてるだけ!それも治療することがとっても大切。それらのニキビの赤ちゃんが炎症を起こして赤く腫れ上がると赤ニキビ、黄色い膿をもつと黄ニキビとなります。ニキビにも段階によって色々種類がありますね。それらが新しくできないように、そして早く引くように治療を行うことを、ニキビ治療と呼びます。病気の治療ということで基本的には保険適応です。(ただし重症のケースではイソトレチノインという内服を推奨しますが、それのみ現状厚労省の認可がないため非常に有効な薬ですが自費となります。)
そしてニキビ治療のゴールは将来的にニキビ跡を残さないこと!です。基本的にはめんどくさい外用治療が基本になります。毎日塗るなんてとってもめんどくさいし、ちょっとのプツッとくらいどうでもいいやと思われるかもだけど、でもたったちょっと塗るだけなので、将来の綺麗な肌に対する先行投資として私は、というか基本皮膚科医全員、この早期の外用治療を強く推奨しています。だってニキビ跡の治療ってねとても大変です。ちょっと塗るだけでは基本終わりません泣。。。。
ニキビ跡(ニキビ痕)治療とは
ニキビ治療とは別に、ニキビが治った後に残った跡形を綺麗にするのがニキビ跡治療ということになります。病気が治った後の美容目的となる治療ですので、健康保険の効かない自費治療ということになります。ニキビ治療に比べると全額自己負担でもあり明らか高くつきますし、自由診療の領域ですので、値段も施設やメニューによって、それはもう比較できないくらい色々です。ちょっと塗るだけを超えることが殆どで、時にお肌に痛みも伴うし、何ならお財布もちょっと痛むし、通院は必要になるし、ということが多いです。
ということで、ニキビ治療とニキビ痕治療は全く異なるのです。どちらが大事って当然早い段階でのニキビ治療は大事ですし、もう不可欠ですよね。頑張って頑張ってニキビの跡形を治療しても、新しいものが出来続けたら元の木阿弥ですから、とにかく新しいものが出来ないように徹底的に治療する。それが出来た上で、ニキビ治療後、時にニキビ治療と並行してニキビ跡治療を行うのが鉄則です。正直お金の問題があるのであれば、とりあえずニキビ治療だけして、ニキビ跡はお金の目処がついてからでもそんなに手遅れになることはありません。今やってもあとでやっても大差がないのがニキビ跡治療。何が何でもさっさとやり始めるべきはニキビ治療ということになります。
ニキビ跡の種類とは
今後ニキビ跡治療を説明するに当たって、まずはニキビ跡にも種類があることを理解しておくことが大事です。自分のニキビ跡はどのタイプだから、どんな治療が必要になる、という風に考える必要がありそうですね。闇雲に治療しても効率が悪いので、やっぱり労力的にも金銭的にも最短距離で行くには、治療の対象となる皮膚の状態、ニキビの跡形のタイプを把握しておくことがやっぱり大事!
まずはニキビの跡形は多く分けて2つ。色味の問題か凹凸の問題か。
Ⅰ色味の問題
他の部分の皮膚と色が違って綺麗な肌じゃない、けど触るとツルツル。このタイプの跡形はさらに二種類に分かれます。
①炎症後色素沈着
触ると盛り上がりは無くなってるのに、くすんだ茶色い色あとが残っている状態。虫に刺された時もまずは炎症で赤みがでて、そのあと時間が経つと茶色くなって、ゆっくり元々の地肌の色に戻りますよね。あの茶色が、ニキビの後にもやってきます。ニキビの赤みが強かったりと炎症が強く、そしてその炎症のある赤みのある期間が長ければ長いほど、この茶色みである炎症後色素沈着は長引きます。
②炎症後紅斑
ニキビが治って、プツッとした膨らみはなくなったのに、ずーとくすんだ赤みが続く。これが炎症後紅斑。炎症や傷が治る創傷治癒の過程に、微細な毛細血管が拡張することによって生じる変化です。軽度の炎症後紅斑は半年〜1年程度で自然に軽快することもありますが、必ずしも自然軽快するものではなく、不可逆的な血管拡張が生じたり、皮膚のターンオーバーによってはいつまで経っても自然に治らないケースも少なくありません。
Ⅱ凹凸の問題
触って膨らんでいたり、凹んでいたりするのがこれに当てはまります。
③肥厚性瘢痕
赤く固く膨らんだり、時間がたって色は皮膚の色に近いのに触ると明らかに盛り上がりがある状態がこれに当てはまります。時に痛みや痒みを伴うこともあります。毛穴の破壊が強く、そして深くまで生じることによる起こる反応です。大きなニキビでブヨブヨとした不良肉芽や膿の溜まりが生じた後にも起こりやすい症状です。
④萎縮性瘢痕
皮膚の色は普通なのに窪んでしまっていて、ずーとそのままで変化しない固定した状態がこれです。萎縮性瘢痕の中にも、その形によって、ボックス型、ローリング型、アイスピック型と分けられます。これも深く、炎症の強いニキビが生じた後にできます。毛穴の傷跡とも言えますが、残念ながらこれはもう放っておいても元の皮膚に戻ることは、まずありません。これを作らないために、ニキビ治療が大事だと先ほど繰り返し申し上げた理由です。治療はとても難儀しますし、ある程度治療することで別の傷跡に置き換えて目立ちにくくするというのがゴールになってしまいます。
治療のお話まで追いつきませんでしたので、治療についてはまた別の記事にてお話ししようと思います。今日はここまで^^