①保険適応ワキガ(腋臭症)手術の治療-皮弁法(剪除法)-効果、再発、自分はワキガ?診断法
- 2025年1月15日
- 脇汗・手汗
大阪府高槻市の保険皮膚科と美容皮膚科のハイブリット診療を行うあゆ皮フ科クリニックの院長菊澤亜夕子です。次の夏対策なのか、なぜかこの冬場にまさにブームと言わんばかりにワキガ手術を希望される方が、遠方より多数お越しになってます。せっかくなのでAIなんかに頼ることなく、私の言葉たらずな文章で←簡単にワキガについて、その治療についてお伝えしてみます。
ワキガとは?
ワキガとワキの多汗は厳密にいうと異なるもので、ワキガは脇の汗の量ではなく、脇の匂いが気になるの症状を指します。
ワキ汗関連の治療について
・保険適応の外用剤(エクロックゲル、ラピフォートワイプ)
・保険適応外の外用剤(塩化アルミニウム製剤など)
・保険適応外の局所注射(ボトックス)
・保険適応外の機器治療(ミラドライ)
など様々ありますが、いづれも汗の量を抑えることがメインとなります。もちろん汗の量を抑えることで、細菌の繁殖も抑えられ、結果的にニオイにもある程度効果があることもありますが、やはり主にはワキ汗の改善を目的とした治療という位置付けです。外用剤なんかは手軽だし、とりあえず塗るだけ塗ってみるのは全然あり!ですが、あまり期待しすぎずに行う感じにはあります。
そこでワキのニオイに特化した治療は、やはり手術ということになります。剪除法や皮弁法と呼ばれる、皮膚の下にあるアポクリン腺という脇の匂いの元となる汗腺を直接的に外科的に取り除く方法になります。当院では保険適応の手術として行なっております。(2025年1月現在)
剪除法(皮弁法)の治療効果
人間の手作業で行う手術であり、完璧を目指して皮膚を限りなく薄くなるまで汗の腺を除去することを目指すと、残った皮膚が薄くなりすぎて、傷縁壊死による傷を生じさせてしまいます。ですので、治療効果は完全にニオイが消えるというよりは、10の匂いが、2とか3程度になることを目指した手術です。実際にはだいぶ気にならなくなったと、満足度は高い印象です。完璧でない分については、塗り薬やボトックス注射など他の治療で少し補助していくケースもございます。
再発のリスク
再発もゼロとは言いませんが、理論上はとったアポクリン腺が再発することは考えにくいので長く良い状態が続くことがほとんどです。成長期にある方については、成長とともに新しいアポクリン腺が生じる可能性はあります。
ワキガ診断法であるガーゼ法について
手術の前に、まずは診断について。これが意外と大事で、本人は脇の匂いが異常に気になってるけど、実は全然ワキガでないとう方がたまに紛れております。ですので、ガーゼ法というめちゃくちゃ原始的な方法を、初診時に行います。お渡しするフツーのガーゼを脇に直接服の下から肌にあたるように挟んでいただきます。ガーゼを挟んだまま、その間にいろいろお話を伺い、5分後くらいにそのガーゼ脇から取り出して私にいただきまして、私が直接ガーゼの匂いを嗅ぎます。で、匂いの有無を判断いたします。診察なのでね、ちょっと嫌な方も少なくないと思いますが、匂いの計測器なるものはありませんため、お許しください。
ご自身で匂いが気になる方の中には、たまーに私が判断するに匂いは全然ないから大丈夫!手術しなくていいですよ、安心して!ということがあります。一方で、匂いが気になるというご家族さんからの指摘で来院されるケースではほぼ例外なくワキガの診断がつき、手術の適応となる傾向にあります。
ワキガの判断材料として、耳垢が湿っている、洋服の脇の部分が黄ばむ、両親のどちらかのワキガがあるなどもひとつの目安になるのかもしれませんし、ワキガのある方にはその傾向が強いのは紛れもございませんが、ガーゼ法のみでワキガの診断、および手術の適応について判断しております。私が嗅いでほんまに匂うケースでは手術で改善するので手術適応あり!と判断。という、とってもシンプルな判断になります。親とか耳垢とかどっちでもいいです←
えーどうだろう、私におうんかな、なんかわからんけど、どうなんやろ・・・と、ご心配な方は、とりあえずご相談にいらしてください。お友達なんかにも聞きにくいと思うので、逆に知り合いでもない私には、お気遣いの必要はないので安心して判断をお任せください^^
では、具体的な手術の詳細、ダウンタイム、費用、手術の実際、写真、などについては次のページでお伝えします。次の夏こそ汗の匂い対策をしたい!という方は、今の時期に手術をお勧めしたいと思いますので、ぜひ一読していただければと思います。