保険適応ワキガ(腋臭症)手術:剪除法その④〜子供の剪除法はいつから受けられる?
- 2025年8月29日
- 脇汗・腋臭症・手汗
大阪府の茨木市に程近い高槻市にあるあゆ皮フ科クリニック院長の菊澤亜夕子です。皮膚科医ですが、オペや注入などの手技が好きで、整容面にもこだわりながら、腋臭症の手術である剪除法を多く行なっております。
今年も盆営業をしていたため、この時期10日間ほどは1日に平均的に1-2件の剪除法を行なってました。多分基幹病院と比べても全然劣らないくらい小さな皮膚科クリニックの中ではかなりの件数と思われます。で、今回はお子様の手術は、何歳から受け入れているか?についてです。
正直、子供の剪除法の年齢は正確に決めていません。子供もかなりいろんな意味で個人差があるため、一律年齢では区切っていないのが理由です。
私が、あくまで私が執刀する場合における、お子様の手術可否を決めるポイントにはなりますが、参考にしていただけると嬉しいです。
夏休みに我が子のほくろを切除している親子のリアルな手術風景・・・麻酔注射も極力痛くないように、工夫してます。
娘と私。私の服装とか、開いた足元とか多めに見てください。娘は7歳。ただの躾の問題かもしれませんが、ご飯も座って最後まで食べられないですし、いろんな意味で一般的お利口とは遠いタイプの子供ですが、泣くこともなく、おとなしく受けてます。意外といけますね。私の表情もこんな穏やかです。他のお子様にも同じような感じで穏やかに、怖くないようにやってます。ホクロの良性悪性の最終診断は切除によります。見立てのみでは確実な判断は難しい場合もございまして、心配になって、傷跡は残るけど取ることにしました。結果は良性のほくろでホッとしました。
お子様の手術可否を決めるポイント(私の考え)
①子供であれ、本人に手術の意欲がある
これめちゃくちゃ大事です。これは満たしていないと私は手術しません。両親だけが手術させたくて、におい直すために手術した方がいい、と子供に言ってるけれど、子供本人はあまり匂いを気にしていなくて、わざわざ痛い思いをしてまで頑張りたいと思っていない。というケースでは、適応外とせざるえません。やはり手術を受けるのは、子供本人ですので、本人がその気でないと安静が保てなかったりと、手術がスムーズに行えないですし、リスクが変に高まります。それもありますし、生死に関わる病気ではないため子供であっても本人の意思を尊重したいと思っていますので、悪い病気だと嘘をつきたくもないし、子供自身が理解して望んでいる前提での手術と考えております。ご両親の希望だけで対応してくれる先生はいるかもしれませんし、これはあくまで私の基準ではあります。
②ある程度からだが成長している
曖昧ですが、ある程度身長も伸びていて、においの素となる汗の腺も出来上がってるくらいの体格の子供を対象とします。成長が遅い方だと、この先生じる汗の腺が多いためせっかく手術しても再発というか、また匂いに悩まされると予想されます。この手術は、未来に発達する汗の腺には対応できず、今ある汗の腺にしか対応できないためです。待てるなら16歳くらいが良いのだろうとは思います。
③局所麻酔の間数分痛みを我慢できる
できるだけ細い針で、刺入部位も考慮して、ゆっくりと麻酔してと痛みには配慮しますが、無痛とは行きません。そのため、短時間の麻酔ですが、安静を保てる必要があります。いつも介助の看護師もそばにそっと付き添って、優しく励ましたり、ソフト面も整えてはおります。
④術中安静を保つ意味が理解できる
やはり手術室だし、怖いし不安だしで、痛みがなくてもじっとするのは大変とは思いますが、30分程度はじっとしていただく必要があります。手術中も意識はあるので、最近は夏休みの話だったり、遊びの話、学校の話など、なんやかんやと怖くないように、気の逸れる話は、私と介助看護師でさせてもらってます。今のところありませんが、基本的には安静が維持できないとなったら、押さえつけて手術は行うことはせず、安全第一で途中で閉創となります。今のところそのような事例はありませんが、無理やり抑えての手術は対応しません。
手術の範囲と傷の場所
円の範囲が汗のでやすい、匂いの元となる部分。ちょうど手術で汗の腺を取り除く部分になりますが、実際のメスを使った切り口は円の中の線の部分、最近は2センチ弱くらいの幅で行っております。小さな入り口から入って、内部まで上手に操作しています。
子供の間、若いうちに手術を受けるメリット
子供は中年くらいの成人と比べて皮膚の厚みと弾力があるため、皮膚に穴が開くことも少なく、手術がしやすく、合併症も少なく、傷跡も綺麗に治る傾向があるように思います。これは私が手術をこなす中で感じている印象であり、教科書的な記載によるものではありません。
また匂いが原因で人間関係に悩んでいたり、という場合は、あまり大きくなるのを待つのも得策とも言えないかもですよね。というような背景なども踏まえて早めの手術でGOサインを私なりに出すこともあります。ただし大してニオイもないのに匂いがあるように思われて気になる自臭症を除きます。
ちなみにお金のお話もしておくと、子供医療証で高槻の子どもたちは、手術代は無料です。
子供が受ける時の注意点
繰り返しになりますが、やはりまだ成長段階にあるという点です。再発のリスクなどですね。また傷が残る点についてもまだ想像力がないので、親御さんの判断とはなってしまいます。
で、何歳から手術受けれるん?
というわけで、まとめると待てるなら16歳以降くらいが理想でしょうし、待てなくて一定の条件を満たしていれば12歳くらいから対応していますが、あまり年齢ではくくっていないのが現状です。
参考になれば幸いですが、当院以外での手術であれば、医師によってこの辺りの考え方は色々かと思いますので、お近くの先生に相談して見てくださいね。