婦人科形成のお話その13〜デリケートゾーンびらびら、小陰唇の黒ずみ。皮膚科医の考える原因のウソホント|普通の色とは?|その治療|症例写真〜|あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

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婦人科形成のお話その13〜デリケートゾーンびらびら、小陰唇の黒ずみ。皮膚科医の考える原因のウソホント|普通の色とは?|その治療|症例写真〜|あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

婦人科形成のお話その13〜デリケートゾーンびらびら、小陰唇の黒ずみ。皮膚科医の考える原因のウソホント|普通の色とは?|その治療|症例写真〜

     大阪府高槻市のあゆ皮フ科クリニック院長の菊澤亜夕子です。もう婦人科形成、女性器形成のお話も13話になりました。ブログにはプラベートで何の役にもたたない記事から、情報を盛り込んだ記事まで色々書いてますが、ぜーんぶAIとかスタッフに依らずに、院長のやる気スイッチが入った時にコツコツ書いてます。(なおインスタはスタッフ頼み・・)

毎日の診療は一度もサボったことはありませんが、なかなかブログを定期的に書けるほどの根性がございませんで・・ぼちぼちの更新ではありますが、私が力を入れて行っている婦人科形成の記事については、割と情報てんこ盛りのつもりです。デリケートゾーン、小陰唇のびらびらでお悩みの方はぜひ、遡って記事を読んでいただけますと嬉しいです。

手術時:デザインマーキング中風景

今日は女性器のひだ、びらびらと検索される方も多いようですが、外陰部の黒ずみのついてお話します。

びらびらの黒ずみは異常?普通って?

まずはそもそもどんな色が正常かわからない方がほとんどかと思います。そんな普通のヒダの色もわからない中、色味がちょっとだけ自分でも気になっているところに、異性から「〇〇ちゃんって黒いよね」とか、「めっちゃびらびら大きくない?」とか言われたら、もうめっちゃ気になってきて、言われてない相手に対しても、もしかして私って黒いとか大きいとか思われてるのかな?とか、なんなら同性と行く大浴場でも、私って周りと違うのかな?とコンプレックスを感じたり、ってこともあるかもしれません。

デリケートゾーンの悩みは、他と比較しにくく、そもそもの普通の基準がわからない、のがまた悩ましいところ。

多数の女性の外性器を明るいところでしっかり診察してきた医師だと、小陰唇の色味や大きさについて、大体ボリュームゾーンに入る標準的な範囲が分かりますが、通常は女性でも分かりません。だって他の女性のあそこをみることないですから。男性だって100人以上の女性を見てる人は稀ですから、まして明るいところで大人数のあそこをしっかり見るなんてことはまあ稀だと、私は思っています←。大してみたこともない相手から、色々指摘されてもあまり間に受ける必要もないと思います。という大前提の上でのお話です。

色味に関していうと、大きさのように数字で表すこともできず大変表現が難しいですが、大概ある程度のメラニン色素の沈着はある部位であって、つまり茶色が正常で、完全にピンクなんて人はほぼいません。私はAVは見ないので、そっちの世界がどうか知りませんが、少なくとも現実的にはそうです。婦人科の相談以外で、皮膚科の診療に来られる外陰部疾患の方も診察してるので、これまで数えきれないくらい見てきてそう思います。なので気にされている方も、ひとまず安心してください。大体あそこがピンクやと思ってる男性の方が恥ずかしいくらいです←(そう思っていた男性は、この記事を読んでいないと思いますが、失礼な言い方をお許しください)

これは↑私物の皮小物ですが、ちょーど今目の前にあったので色の説明に使ってみます。小陰唇は腕などの皮膚よりは茶色いので、右の色みくらいは通常です、左だと形状や見え方によってはやや気になるかもしれませんね。つまりある程度の色素はありますが、その多少濃い薄いには差があるということですね。ただ別に色が濃いから病的とかはありません。鼻の高い低いというそのような個性の範囲です。鼻が低いから息ができないわけでもなく、同様に色の濃さで機能や痛みに影響はしません。機能や痛み違和感などの症状は、びらびらの小陰唇のサイズから影響してくることがほとんどです。なお大陰唇も機能には影響しません。

 

黒ずみの原因は?

黒ずみの原因として、ネットの情報には下記のように記載されていることが多いようです。(今、私の適当調べによる)

①摩擦や圧迫
②皮膚の炎症
③ターンオーバーの乱れ
④ホルモン
⑤遺伝的要因

サイトの上の方に上がってくる記事の出所をみると、美容外科医や形成外科医による美容専門クリニックの情報が大半なので、ここでは皮膚科医としての私見を述べてみようと思います。

①摩擦や圧迫  uso?

膝頭の色素沈着は、摩擦や圧迫あるの原因があると思います。ただ外陰部、小陰唇については、摩擦や圧迫がびらびらの色素にどこまで関与してるのかな・・私はちょっと懐疑的に思います。トイレットペーパーで拭く摩擦が原因なら、もっと部位によって色味のムラがありそうなもの。拭いてないところもある程度色素は濃いですよね?排尿後の拭き方を変えれば色が薄くなることもないので、今まで通りの生活習慣でいいと思います。圧迫って自転車乗りすぎ?性交渉のしすぎ?経験人数が多い?それはない。未経験者でも色素はある。少なくとも「性交渉のしすぎでびらびらが黒い」は完全に迷信ですね。

②皮膚の炎症

皮膚の炎症によって黒ずむ、これはありますね。ヒダが大きいケースではトイレとか性交渉とかではなく、通常の日常生活において擦れやすくく、汗も溜まりやすく痒みがでやすい。生理時期に蒸れてナプキンやおりものなどでかぶれたりするケースも同様。またアトピー性皮膚炎などのバリア機能が低下している肌体質の場合、ちょっとした刺激で擦れて痒みがでて炎症を起こす。そのような赤みを伴う皮膚炎から始まり、時に苔癬化という慢性的な炎症が続く状態となります。苔癬化とは、掻爬(引っ掻く)刺激が繰り返されて、皮膚が厚くなっている湿疹の成れの果ての状態。まさに炎症→炎症後色素沈着→炎症→炎症後色素沈着のループ。これにより生理的な黒さがより強まって小陰唇〜大陰唇まで皮膚が肥厚しドス黒い色になっているケースがあります。このケースでは、大概痒みという自覚症状があり炎症を抑える湿疹の外用治療が有効です。

③ターンオーバーの乱れ uso?

これも私は懐疑的。だって本当にターンオーバの乱れが原因で黒ずむのであれば、どんどん加齢と共に色味は悪化して黒々としていきますよね。若い人ほどびらびらの色が薄く、おばあちゃんほど色が薄いってことになります。そんなことは絶対ないと思います。むしろ臨床的には、おばあちゃんほど色の黒さは気になりません。教科書的には、皮膚の代謝は年齢を重ねるごとに落ちていきます。実際、歳とともに虫刺されの跡形がきれいになりにくくなったり、怪我の治りも悪くなったりと実感するものです。なのでターンオーバーの乱れで黒ずむという説は、不明です。間違いと言っても良さそう・・

④ホルモンの影響

ホルモンの影響で黒ずみが増す、これは多いにあると思います。ホルモン特に女性ホルモンであるエストロゲンは、メラノサイトという色素を生成する細胞を刺激して、メラニンの生成を促進します。よって、びらびらの黒ずみは妊娠中にさらに目立つことがあります。同様にお顔のしみの一つである肝斑も妊娠中に悪化したりしますし、乳輪も妊娠中分かりやすく黒さが増すものです。つまりはおばあちゃんになったら、女性ホルモンの低下とともに、茶色味は薄れてきます。おばあちゃんの乳輪は大体ピンクに近い色味です。

⑤遺伝的要因

これはあるかもしれませんが、知りません。親子の診察もしないし、元になっている文献があるのなら知りたいですが、分かりません。

手術時:縫合中 何の世間話をしていたのか忘れましたが、私嬉しそう・・・手先は真剣です

びらびら黒ずみの治療

①皮膚炎がある場合

赤み、痒み、ガサつき、皮膚肥厚などの皮膚の炎症がベースにあれば塗り薬がききます。皮膚炎があるなら、外用治療治療など簡単なことで改善できる可能性があるので、ぜひ保険皮膚科で相談しましょう。美容クリニックではなぜかオペの話に進んでしまうこともあるので注意です。

一方でヒダの大きさそのものが問題となって皮膚炎を起こしている場合は、外科的なアプローチである婦人科形成の手術が推奨されます。

②皮膚炎がなく黒ずみのみの場合

症状がなければ放置でも良いです。やっぱり見た目に気になり、積極的に治療をしたい場合は、まず専門家に相談しましょう。

・小陰唇の肥大を伴う+何らかの症状がある場合
は、症状と共に見た目もきれいにできる可能性が高いので積極的に婦人科形成の手術を推奨します。

・小陰唇肥大を伴わない+何の症状もない場合
つまり黒ずみのみで、びらびらのヒダの形状は気にならないときは、気にしなくてもいいんじゃないかなと、正直にお伝えします。特に小陰唇のサイズが小さいケースでは、切り取りすぎるとそれが逆にトラブルになるケースがあるからです。デリケートゾーン、膣を守る小陰唇は機能があるので、色味をきれいにしようと見た目を追いすぎて、膣が乾いたり、違和感を生じさせては大問題です。

手術以外の治療法

・レーザートーニング

トーニングという色素に対するヤグレーザー(1064nm)を提供しているクリニックもあります。当院でも顔の肝斑には行っておりますので、機械はありますが、外陰部には行っていません。部位や発症の機序も違い、生理的な状態での黒ずみであれば、顔の肝斑のように効果が出にくいと思います。こちら都合ではありますが、効果が望めないかもしれないから安く提供するというわけにもいかず(手間等の理由)、費用対効果が悪と考えるため現状メニューとして取り入れてないです。

・ピーリング

こちらも当院では顔などには積極的に行っていますが、外陰部は皮膚も薄く粘膜にも近い点でリスクと効果の兼ね合いで、当院では外陰部はメニュー化していません。提供しているクリニックもあると思いますが、やや懐疑的です。

・塗り薬

とってもよく効くから手術なんて不要!と言えるほどの薬はありません。クリームであっさりピンクになったら、それは理想的ですよね。施術に比べると手軽で、患者さんの費用負担も前述の施術よりは少ないので、ご希望の方にご提案はさせていただきます。が、ちょっと淡くなったらラッキーくらいで使うものになります。

・自分でできる改善法

正直あまりないかと思います。遺伝とか、色々考えてもどうしょうもないし、正直いうと自転車乗るのやめても、ジーパンはくのやめても、お風呂の時めっちゃ優しく洗っても変わらないと思います。冷たい言い方でごめんなさい・・

手術時:いっつも介助についてくれる栗子ナースとは阿吽の呼吸で連携。彼女の介助によりこだわりの手術に磨きがかかってます。

どんな人が受診したほうがいい?どこに受診したらいい?

形やサイズは気にならないし、ただただ色味がちょっと気になる方におかれましては、びらびらに色味はある程度あるものだ、ピンクではなく普通茶色い部分ということで、安心されたら、それで受診はしなくてもいいと思います。黒ずみが普通から逸脱するレベルで気になる場合や、あとは、自転車に乗るときやジーパンなどを履くときに挟まって気になる、性行為でヒダが巻き込まれて痛いなど、症状が伴っている時は、婦人科形成の手術で改善される可能性がかなり高いので思い切って受診してみるといいと思います。

どこに受診するか?あゆ皮フ科クリニックでは、皮膚科の保険診療も、美容外科も行ってる比較的珍しいクリニックですので、どちらの対応も可能ですので、ぜひご相談ください。結局私のクリニックに誘導してすいません笑。

症例写真

手術の特性上、残念ながら肝心の色味はどうしてもそのまま提示しがたく加工写真を載せます。手術にご満足いただき、お写真の掲載をご快諾くださりました患者さんに感謝いたします。

症例1

症例2

当院では「とにかく自然な仕上がり」を目指します。多少の左右差を無理に合わせるよりも、まじまじ見られても気づかれない、手術したことをすっかり忘れて日常生活を送れること、この辺りが目標です^^

ご相談お待ちしております♡