子供の「 皮膚のかさかさ」「カイカイ行動」の原因って本当に乾燥だけ?
- 2023年8月14日
- 小児皮膚科
乳幼児期の湿疹とアレルギーのお話
今日は、真面目に皮膚科のお話をしてみます。
昔は・・
アレルギーは生まれた時から、アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対しする免疫異常があるために発症する
つまり「生まれた時からアレルギー体質がある」
と言われていましたが
最近は・・
乳幼児期の皮膚のバリアー機能に問題があると、皮膚からアレルギー物質が侵入しやすくなり、さまざまな物質に対して過剰なアレルギー反応を生じるようになる
つまり「乳幼児期にアレルギー体質を得てしまう」
という風に考えられるようになりました。
そこで、アレルギー体質を予防する目的としても
赤ちゃんの頃からのスキンケアはとても重要と考えています。
少しザラザラする皮膚は、ただの乾燥で済まさず
きちんと専門家に相談して、ツルツルのお肌を目指しましょう。
小さな子供は痒いと表現できないこともありますし
痒がっているのを見て、掻いちゃだめ!というのは無理があります。
見た目にはっきりした皮膚症状がなくても、痒みがあるということは、
そこには何らかの皮膚の「炎症」があることを意味します。
カサカサ+痒みは炎症です。乾燥だけではありません。(2回目)
炎症がある場合にすべきは、保湿ではなく、炎症を抑えること、
つまりステロイドやプロトピックその他炎症を抑える作用のある薬を塗ることです。
炎症があるのにダラダラと効きもしない保湿を継続すると結局炎症が慢性化してしまいます。
早い段階で、ピシッと薬を効かせて、炎症を抑え込むことがとても大切です。
適切な治療を行い、炎症のない皮膚にコントロールすることで、痒みから解放され
見た目にも綺麗な皮膚になり、そしてアレルギーからも守ってくれます。
将来のアレルギー体質予防のためにも、お子さんのスキンケア(治療)はとても大切です。