治らないウイルスいぼを1回で治す|いぼに手術という選択肢|ウイルスいぼの切除|いぼはぎ法|液体窒素が効かない|早く治したい
- 2025年9月23日
- 尋常性疣贅(ウイルスいぼ)
高槻市茨木市にあるあゆ皮フ科クリニック院長の菊澤亜夕子です。今日はウイルスいぼを治す手術のお話。
その前にこのウイルスいぼとは。どこにでもできますが手足に多い、ヒトパピローマウイルスHPVが原因となる疾患です。小学生くらいの子供に多い傾向ですが、小さな子から高齢者まで年齢を問わず発症します。
皮膚科医の子供の足です。掲載許可がおりませんでしたので、目立たないように明るさの調整なしに暗いまま、こっそりとお届けします。皮膚科医の子供でもやっぱりなるんですね。しかもぐんぐん育つのを治療せずに見届けてしましたところ、7個に増えてしまいました・・・今年の夏休みには、親子の関係性をちょっと犠牲にしつつも、母親による強烈な液体窒素療法にて何とかことなきを得ました。
「子供の足にタコができました」と来院される方はほぼほぼウイルスいぼです。なぜならタコ(胼胝)は小学生にはほぼできないからです。そしてこのいぼは同時多発的にたくさんできたりする上、特効薬の塗り薬がなく、治療は液体窒素による凍結療法がファーストチョイスになります。
クライオプロによる液体窒素の治療風景
当院では綿棒ではなく、主にクライオプロと言う機器を用いて治療しています。でも液体窒素の治療は毎週のように通院が必要になります。侵襲の少ない処置で、入浴にも制限なく、ガーゼなどの処置も不要ですので、悪くない治療ではありますが、なかなか通院ができない方や、何十回もやってもとにかくずっーと治らない方も少なくありません。通院が難しい、傷ができても、麻酔の痛みがちょっとあっても、とにかく早く治したい!と言う方に向けては手術で物理的に取ってしまうと言う方法があります。
ウイルスいぼの外科的アプローチ(手術)
通院が大変でお悩みの方には、外科的なアプローチも一つの手段となります。局所に麻酔注射を行ってから手術を行います。麻酔の数分はつねられるようなチクチクとした痛みがありますが、施術中は基本無痛です。
①切除方法
切って取って縫う方法です。
いぼを含んで紡錘形印をつけて、メスで皮下組織まで切り取って
血を止めて、糸で縫合します。抜糸は部位によりますが1-2週間程度。
②いぼはぎ法
高周波メスであるサージトロンと言う機器を使って、イボを剥ぎ取る方法です。
仕上がり
こんな感じで血を止めながら、いぼごと皮膚を剥ぎます。欠損した皮膚は軟膏を塗りながら閉じるのを待ちます。
料金
複数ある場合などは保険適応では難しいので、1mm¥3,300-(最低料金¥10,000別)から自費で対応させてていただきます。遠方で当日希望の方は予めお電話にてお問い合わせください。複数同時に切除してしまうことも可能です。
リスク
再発が一番のリスクになります。ほくろ除去などに比べるとウイルス性のものなので再発のリスクが完全には無視できません。ただし再発や残存があってもボリュームダウンはある程度はかれますので、傷が閉鎖した時に少し残存した部位には、追加の液体窒素などをすることで治すことが可能です。そのほか、出血、創部し開、二次感染、疼痛、違和感など。
傷跡
手のひらや足の裏は、稀に違和感が長引くことがありますが、傷自体はほぼわからないくらいに目立たなくなります。そのほかの部位については傷あとが気になることもありますが、整容面にもこだわった丁寧な手術は行っており、初めのうち赤く硬くなり、時間と共に馴染んできます。
術後の注意
切除縫合の際には足の裏は傷が開きやすく、いぼはぎ法の場合は荷重がかかると傷が塞がりにくいので、2週間は歩き過ぎに注意です。歩き方も指導します。翌日からシャワー浴が可能です。軟膏ガーゼによる処置を1−2週間行っていただきます。縫合した場合は2週間後に抜糸します。
いぼの通院が難しくて困ってる方のご相談もお受けしております。当院に通院中の方でも、基本は液体窒素の治療を推奨しており、一部の方にしか切除の話はしていないので、「実はさっさと切り取って治したかったんです」と言う方はいつでもお声がけくださいね。