頭皮脂漏性皮膚炎の治療と、コムクロシャンプー塗り方のコツ|あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

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頭皮脂漏性皮膚炎の治療と、コムクロシャンプー塗り方のコツ|あゆ皮フ科クリニック|高槻市の一般皮膚科・小児皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科

頭皮脂漏性皮膚炎の治療と、コムクロシャンプー塗り方のコツ

高槻市のあゆ皮フ科クリニックの院長、菊澤亜夕子です。昔から濁音があまり好きではないので、きく「ざ」わではなく、きく「さ」わと呼んでもらっています。

当院のナースも、やまざき、ではなく、やまさきだそうで、いつまでたっても私が呼び間違えるため、対策として、もう名前で「ともさん♡」と呼ぶことにして、呼び名間違いを強制終了するに至りました←

私もあゆこ先生とよんでいただいて、読みにくい苗字は省略いただけますと幸いです

↑今日の診療の一コマ。やらせではなくスタッフが不意に撮ってくれてた写真で、ここまで嬉しそうな顔してる自分にびっくりしたけど、外来診療はバタバタしてても極力穏やかな診療を心がけてはいます。

脂漏性皮膚炎とは?

頭皮に洗っても洗ってもフケが出て、イーって痒くなって、ひどいくなると、じゅくついたりもする頭皮湿疹の代表格、脂漏性皮膚炎というものがあります。

まれに尋常性乾癬という少し稀な皮膚疾患や、真菌感染症が紛れているので、それについては診察の時に声には出しませんが、意識してチェックしております。

赤ちゃんにもしばしば生じますが、思春期から中年くらいにも発症しやすく、赤ちゃん以外は割と長引く傾向にあります。何を隠そう私自身も例外なく長引いてます・・・

部位的には眉毛や耳、鼻横、胸、脇にも生じることがありますが、頻度的には頭皮が多いですね。

原因は?

大してはっきりした原因はわかっていないのと、牛肉やめたら一瞬で治る、みたいな単一の原因は少なくともありません。

皮脂を食い物にするマラセチアという真菌の一種がはびこると悪化しやすかったりしますが、それはあくまで悪化要因の一つという程度です。

インターネットには食生活を見直すとか、油分を控えるとか、色々書いてあるかもしれませんが、現場の皮膚科医でいきなり食事指導をしだす先生は稀だし、なかなか食事で治すなんてことは難しいと思います。何にしても良質の油を取ったり、バランスの良い食事は健康寿命を伸ばすとは思うので、これを機に改善するのはとてもいいことと思いますが、食事療法って口で言うほど現実は簡単ではないですし(少なくとも私は)、ビタミン剤飲んだって敵面に効くとかは、残念ながらあまりないと思います。

治療

ステロイド外用剤と抗真菌剤(ニゾラール)の二本立て

基本はステロイド外用剤です。頭皮の痒みを伴うフケはただの乾燥ではなく、炎症を伴っておりますので、保湿だけでは症状が改善しにくいものです。

ステロイド外用剤である程度落ち着いてきたら、悪化因子を抑える目的、再発予防や頭皮環境を整えるという意味で、抗真菌剤であるニゾラールローションなどがよく使われます。

黄色いキャップのニゾラール、大体「これ効果ないからいらんわ!」とよく言われますが、そもそも炎症を治すための力強いステロイドとは違い、その立ち位置は、ある程度良くなった状態を維持したり、悪化させないように・・程度のものです。ニゾラールがかわいそうなので、あまりニゾラールに効果を期待しすぎないようにするのがいいかと思います←。ただ、ニゾラールにもとてもイケてる点があり、ステロイドと異なり、ニキビができやすくなったり、皮膚が薄くなったりといったステロイドの副作用がなく、一生使っていても問題ないというのがメリットなのです。

新登場のコムクロシャンプー

今日一番お伝えしたかったのは、これです!コムクロシャンプー!!

何しか脂漏性皮膚炎は、慢性疾患なので、ちょっと良くなってもまたすぐ出てくるし、おまけに頭皮は髪の毛の影響で薬は塗りにくいし、ベトつくし最悪やん、という治療も悩ましい疾患だったのですが、

最近は(っていっても何年か前)お薬シャンプーなるものが登場しました。それがステロイドが含まれたシャンプー、コムクロシャンプーです。これまで部分的にステロイドローションを手に取って塗るのが一般的でしたが、このコムクロシャンプーは画期的です。入浴前に先にコムクロシャンプーを頭皮に刷り込んでおいて、15分馴染ませたら、フツーにシャワーで流したら泡立ってシャンプーがわりになるという優れもの。

イラストのような具合ですね。ただリビングで洋服を着たままコムクロシャンプーを頭皮に刷り込むと、15分冷たくなって不快な頭皮と共に過ごす羽目になり、洋服を脱ぐときにコムクロシャンプーが衣類に付着して嫌になりますよね。

そこで私は、湯船に浸かりながら頭皮にコムクロシャンプーを刷り込んで、湯船でゆったり過ごした後に、頭皮にシャワーをかけるとフツーのシャンプー同様に泡だちますので、爪を立てずに洗髪して洗い流すようになり、コムクロが一気に味方になりました。

いつものおうちのシャンプーはなしで、その後はトリートメントしないもするもご自由です。コムクロシャンプーだと頭皮全体に薬が行き渡るので、部分的な症状ではなく、全体がかゆい方にはもってこいです。

コラージュフルフルシャンプーとコムクロシャンプーとの違いは?

皮膚科の先生からコラージュシリーズの頭皮ケア用品をおすすめされたことがあるという方も多いと思います。市販で買える、脂漏性皮膚炎用のシャンプーやトリートメントのシリーズです。こちらはミコナゾールという抗真菌剤の成分が配合されているので、マラセチアがはびこる環境を抑える効果はありますので、予防的に使ったり、悪化を防ぐ目的で使用するのはとても良いと思います。症状をコラージュ頭皮ケアで治そうというのは違うのです、あくまで予防や頭皮ケアcareなのです。キュアではなく、ケア。

一方でコムクロの本体はステロイドですので、治すこと、キュアcureを目的とするものです。

洗髪の頻度は?

これよく質問されるのですが、洗いすぎも洗わなさすぎも良くないと思います。1日1回の洗髪で十分と思いますが、個人差もあるので、皮脂が多いと感じる方は2回洗ってみて、調子ようさそうだったら1日2回洗う、1回で十分だと思ったらそれでいいと思います。ちょっと冷たい言い方かもしれませんが、人間個人差もあるので、シャンプーの回数に決まりはありませんので、自分でいい具合を見つけましょう←

今日は頭皮の慢性湿疹の治療についてのお話でした。頭皮のお悩みがある方にお役に立てたら嬉しいです♡